タイトル:「からだの気づきダイアリー」を用いた栄養指導の一事例
演者名:○土澤明子1)村川治彦2)
1)医療法人敬節会 栄養相談科 2)関西大学人間健康学部
昨今、自らの栄養相談外来において、従来からの近代栄養学に基づく栄養指導だけでは十分な減量効果が得られず、継続も困難な事例が少なくない。その多くが、満腹や空腹といった身体感覚の気づきに乏しい傾向にある。この身体感覚の希薄さにより、食事摂取量が多くなり、必要以上のエネルギーを摂取するため、減量効果が得られないと考えた。そこで、新たな視点の探索や働きかけとして、試験的に「からだの気づきダイアリー」を用いたところ、身体感覚への気づきとともに、食欲や食事量の気づきが得られ、さらには、身体感覚と食べる行為とのつながりを、患者自身が自ら気づき、理解した。この結果から、従来の栄養指導では減量効果の得難い事例に対し、身体感覚の気づきを促すアプローチが、これまでの栄養指導を相補う方法として有用と考えられたので、この栄養指導の試みを報告する。